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カナダのユーコン川をカヌーやカヤックで下るには?準備・方法・注意点を経験者が紹介します

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カヌーやカヤックをやっている人であれば、ユーコン川という名前を誰しもが聞いたことがあると思います。

またカヌーやカヤックをやったことがない人でも「水曜どうでしょう」を観て知ったという人も多いでしょう。

 

針葉樹の森の中をゆったりと流れるユーコンをキャンプしながらのんびり旅をする。

良いポイントがあったら釣りをして、夜には釣れた魚をたき火で焼きながらビールを飲む。

ときには森の中からリスなどの野生動物が現れて、カナダの自然の豊かさを実感させてくれます。

そんなユーコンは世界のカヌーイストやカヤッカーの憧れの川。

でも実際にユーコンで川下りをしようとしたら、どうすればいいのでしょうか。

やってみたいけど、わからないことだらけで諦めている人も多いと思います。

 

そこで今回は、ユーコン川をひとりで一週間下った経験をもとに、実際に下るにはどうしたらいいのか紹介していこうと思います。

川下りの起点はホワイトホース

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ユーコン川とは北アメリカ大陸の北西部に位置する川で、カナダのユーコン準州とアメリカのアラスカ州を流れ、ベーリング海へと注いでいます。

ユーコン川を下ろうと思った際、起点になるのはカナダのホワイトホースという小さな町です。

ホワイトホースには空港があるので、バンクーバーから飛行機で飛んでいけます。

空港からホワイトホースの町まではタクシーなどを利用しましょう。

歩いてみましたが2時間ほどかかってしまい、かなりきつかったです。

ホワイトホースでの滞在は、ホテルなどの宿がいくつもあるので、自分の予算にあったものを選びましょう。

夏のハイシーズンの間は多くのカヌーイストやカヤッカーがホワイトホースに集まるため、宿もいっぱいになってしまうことが多いです。できれば早めに予約しておくのが良いでしょう。

安く済ませたい場合はBeez Kneez Bakpakers などの安めの宿がオススメです。また、町から少し歩いたところにはRobert Service Campgroundというキャンプ場もあるので、キャンプが好きな人にはキャンプをするのもいいでしょう。

ホワイトホースの街には大きなスーパーやアウトドアショップ、ホームセンターもそろっているので、まずはこれらのお店でキャンプ用品や食料を買い揃えましょう。 川地図の購入も忘れずに。

 

カヌー・カヤックのレンタル

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ユーコン川下りでは多くの場合、ホワイトホースにあるカヌーショップで船をレンタルして下ることになります。

ユーコンの川下りは、日帰りのツアーから、1~3週間をかけて下るツーリングなど、その人の技術や日程に合わせていろんなスタイルがあるので、自分に合ったスタイルを選んで下りましょう。

英語が苦手で、海外での川下りは敷居が高いと感じるひとも多いと思いますが、ホワイトホースには「カヌーピープル」や「クロンダイクカヌーイング」など、日本人のガイドさんがいるショップや、日本人が経営するショップもあるので安心してください。

川下りにかかる費用はその人のスタイルやショップによって大きく変わってきます。

参考までに私の場合、ソロカヤックでの1週間ほどの川下りにかかった費用は、およそ5万円(レンタル代や食料費合わせて)ほどでした。

夏のハイシーズンはやはり、カヌーやカヤックも早めに予約しておくのがいいかもしれません。

 

川下りのコース

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船を借りたらいざ漕ぎ出しましょう。

何日間かのツーリングをする場合、ユーコンの川下りではスタート地点をホワイトホースとするコースのほか、カヌーショップの人に送迎してもらって「ジョンソンクロッシング」や「クワイエットレイク」からスタートするコースがあります。

コースによって必要な技量や、見られる景色も変わってくるので、ショップの人と相談しつつ自分の下りたいコースを選びましょう。

ゴール地点もいくつかの候補から自分で選ぶことができます。

主なゴール地点はカーマックスかドーソンです。ホワイトホースをスタート地点にした場合、それぞれ320km(約9日)、735km(約17日)のコースです。

カヌーレンタルでは、ゴール地点にカヌーやカヤックを置いておいて、あとでカヌーショップの人が回収してくれるサービスがあるのでそれを利用しましょう。そうすれば旅が終わったら自分の身ひとつでバスなどに乗ってホワイトホースに戻ればいいだけです。

 

気を付けるべきこと

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ユーコン川はとてもゆったりした川ではありますが、川下りをする以上、転覆はもちろんのこと、他にもいくつか危険なことあります。主な注意点を下に3つ挙げます。

  1. 熊の出没

ユーコン川周辺には多くの野生動物が生息しており、熊もいます。実際、私も川下り中に熊に遭遇しました。

キャンプをする際は、食事のにおいを残さないようにする、テントは食料から距離を置いた場所に設置するなど、十分熊の存在に気を付けましょう。熊スプレーを携帯することも重要です。熊スプレーはカヌーショップでレンタルすることができます。

 

  1. レイクラバージに注意

ホワイトホースからスタートして川を下る場合、1日ほど漕いだところで「レイクラバージ」という海のように大きな湖に出ます。

湖と聞くとなんだか穏やかそうなイメージを持つと思いますが、実はこの湖が、これまでに何人の方が亡くなっているユーコン川下りにおける最も危険なポイントのひとつでもあります。

普段は穏やかなこの湖ですが、天候によって非常に荒れる日があります。荒れてしまった場合、経験が豊富なカヌーイストやカヤッカーでも波にあおられ転覆する危険がかなりあります。

荒れてしまった場合は無理をせず、キャンプをして、動かないという判断も重要です。また転覆の危険を考え、できるだけ岸から離れずに漕ぐようにした方がいいでしょう。

 

  1. 装備をしっかりする

当たり前のことですが装備はしっかり揃えていきましょう。ユーコンのような大自然の中に入ると、道具が無ければ人間はとても弱い存在だと実感します。

夏とはいえユーコンはときにとても冷え込むことがあるので、寝袋やテントはできる限り良いものを持っていくといいでしょう。

また、実はとても重要なのがライターです。これが無いと火が使えず、困ることになります。万が一落としてしまうことや、濡れて使えなくなってしまうことも考えていくつか予備を持っていくといいでしょう。

 

ユーコンの魅力

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ユーコン川の大自然を感じながらのんびりキャンプしながら旅をするというだけでも最高ですが、それ以外にもユーコン川には旅人を魅了するポイントがあります。

そのひとつが釣りです。川下りの途中では、日本では見られないような魚とのファイトを楽しむことができます。良いポイントを見つけることができれば、初心者でも簡単に魚を釣り上げることができるでしょう。

ユーコン川での釣りには遊漁券が必要なので、忘れずにホワイトホースで買っておきましょう。ホームセンターのサービスカウンターなどに行けばすぐに変えます。

また、ホワイトホースは世界有数のオーロラの鑑賞ポイントでもあります。

真夏の間は日が長いため、オーロラ鑑賞は難しいのですが、8月末くらいになるとだんだんとオーロラが見られるようになってきます。

またこの時期になるとカヌーイストやカヤッカーも少なくなってくるので、人の存在を感じずに川を下りたい人にとってはオススメのシーズンでもあります。

ユーコンではかなりの確率でオーロラが出ているので、昼間は川下りを楽しみ、夜はオーロラを楽しむという最高の旅ができます。

 

おわりに

以上、ユーコン川での川下りについてまとめてみました。カヌーやカヤックを全くやったことのないような人でも、日本人のガイドさんと一緒に川を下れるツアーもあるので、ぜひ今年の夏はユーコンで川下りに挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと最高の思い出できるに間違いありません。